似ている。
そう感じる時がある。
ほんの少しだけ。
だって、
オレはトナカイで男で青っ鼻で。
ロビンはニンゲンで女で黒くて綺麗だ。
でも思う。
ロビンとオレは似ているんじゃないかって。
君を思うと、
「うおおおおおおお!!」
大きくなって襲ってきた海賊を薙ぎ払う。
サニー号のあちらこちらで仲間が戦っているのが見える。
「火薬星っ!!」
後ろからウソップの声がして目の前の敵が炎にまかれた。
「ありがとう!ウソップ!」
「おう!大丈夫かチョッパー!」
「大丈夫!オレがロビンを守るんだ!」
船医には患者を守る責任があるのだ。
真っ直ぐ前を見てそう告げればウソップは嬉しそうに鼻を擦った。
「へっ!男だねぇ!行くぜチョッパー!!」
「おう!」
戦いはまだ始まったばかりだ。
***
医務室の外では仲間の交戦が伺える。
寝てばかりいられない。
「っ・・・・」
体を起こせば目眩と吐き気に襲われた。
前なら、そう。
前なら、
「もうここにはいないわね」
他人に漬け込まれるようなヘマはしない。
それは裏切りを意味し死を意味する。
でもそれは、
「みんな、大丈夫かしら」
昔の話。
だから黙っていたわけではない。
それはもう癖だった。
だから船医の彼に心配されて怒られるのが面映ゆくて堪らない。
独りの時はなかった。
あの時手を放していたらあり得なかった。
手を放さないでいてくれたみんな。
「あぁ・・・・」
漏れた息は恥ずかしいほど幸せに満ちていた。