「ちょっと!貴女ね!最近銀さんにくっついてる泥棒猫ってのは!銀さんはね、私のフィアッンセッ!なのよ!!私たちはね!愛し合っているのっ!!銀さんのエス心を受け止められるのは雌豚のさっちゃんだけ!!貴女は出来るの!!こんなにも激しいエス心を受け止められるの!!ああん!!銀さん!!いいのよ!!もっともっとさっちゃんを求めてぇぇぇえええええ!!!!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぎんときくん」

、ごめん、やめてお願い。そんな目で銀さんを見ないで。三百円あげるから・・・・」




何か、凄いのが来ました。








シスターはかぶき町の世界でも生きていた?5








またも懲りずに怪我をした銀時君を縛り上げるように治療していると、眼鏡をかけた妙齢の女性が降ってきた。

文字通り屋根裏から飛び降りる形で。

何かいるな、とは思っていたけれど関係ないし瞬殺出来るので放っておいたら、その後何だか凄い事になった。

突然叫び出して捲し立てたと思ったら自分を縛って納豆にまみれてハァハァしてるこの危ない人はなんだ。

一応原作の知識はあるが目の前でやられるとかなり衝撃が大きい。

女性にこんな事言うのはどうかと思うが、キモい。

それを通り越して、




「こわい」

が怯えているっ!!?」

「怯えもしますよ! さんに爛れた人間関係見せないで下さいよ!!教育に悪いです!!」

「マジさいてーアル。しばらく私に近づかないで」




私の年齢は知っているはずだが、情操教育がうまくいっていないと知った瞬間からオカン化した新八君が私を立たせる。




「ちょ!!新八君!?神楽ちゃん!?」

「行きましょう、 さん」

ー、ワタシ の作った玉子焼き食べたいアル!」




甘えるように腕を絡める神楽ちゃんが可愛いので頭を撫でる。




「ハァハァハァハァ銀さぁぁぁんんんん!!!」

「ちょ、この変態と二人きりにしないでぇぇぇえええ!!!」




こんな日常である。







「こーんにちーはー!銀時君いますかー?」




また別のある日。

ドンドンドンと店の引戸がノックされる。

引戸にノックってどうなんだろう?

磨りガラスから見えるシルエットは長髪の男性と白い何だか大きいもの。

これはあれだ。

間違いなく銀時君絡みの面倒だ。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぎんときくん」


「やめろ、そんな目で俺を見るな」




またそんな日に限って張本人がうちにいる。

定期的に私が人間的な生活を送っているか確認にくるような、うちで茶菓子を所望しているだけなような、ともかくそんな理由でうちにいる彼にすっと玄関を指差す。




「ん」

「わぁーった!わぁーった!ちっくしょうヅラの奴俺の至福の時間を邪魔しやがって、」




重い腰を上げた銀時君を見送ったついでに見えた白い大きい何かはもはや可愛いというレベルではない。




「こわい」




その後、大声と爆発音が聞こえてパトカーが出動していたようだが関係ないので、のんびりと薬を作り、念とチャクラで体を鍛え直したりと有意義な時間を過ごした。

その後、




・・・・お前、銀さん人身御供にしたよね?銀さんを生け贄にしたよね!?」




何だかボロっちくなって帰ってきた銀時君は可哀想だったので頭を撫でておいた。




「っ、おいぃぃぃいいい!!神楽と同じ扱いしてんじゃねぇよ!!」

「そもそも、ぎんときくんのめんどうごとだもの」

「ちっとぐらい手伝ってくれてもいいだろーがよ、あれだよ?万事屋っては楽しい事も辛い事も共にわけあっての万事屋なわけよ、一心同体なのよ、万事屋ってのは!」

「うん」




撫でるついでに埃を取る。

部屋と店の境に腰を下ろしてたので埃はそのまま足元へ落とす。

ふわっふわの銀髪には砂もあれば少し焦げた後もある。

うん、行かなくて良かった。




「うん?」




小首をかしげる。




はもっと万事屋としての自覚をだなぁ、」

「うん?」




反対側に頭が傾く。

この銀色のふわふわは何を言っているのだろうか?

万事屋?誰が?私が?

確かにもうほぼ銀時君の専属薬師だし、何だかんだで毎日銀時君にも新八君にも神楽ちゃんにも会う。

引きこもりだから一緒に依頼はしないけど、ご飯も食べるし、面倒事も巻き込まれる。




「おい、 、聞いてんのか?」




私が立っているせいで座っている銀時君は自然と上目遣いになる。

その頬にあるのは煤と埃と、見逃しそうな小さな小さな朱色。




「ん」




その頬にある汚れを拭えば居心地悪そうにそっぽをむく銀時君。

子どもかい、君は。




「きいてる」

「あー、だから、うん、そう!ちゃんとしてもらわねーと困っちゃうわけよ、銀さんとしても?」

「んー」

「ちょ、ホントに聞いてんの! さん!!?」

「んーー」

「うわっぷ!やめろ!!力が強すぎる!!頭!頭!頭もげちゃうから!!」




こうしてじゃれあうのも、また日常なのである。

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