「何でもこの山に残忍な妖怪が出るらしいのだ」

「・・・・・・・・ざんにんな、ようかい、」

「さよう!それは竹箒で空を飛び、片手で木々を凪ぎ払い、動物の目玉を集め、人の子を喰らうらしい!!」

「ひとを、たべる・・・・」

「ああ、 殿はここに住んでおるのだろう?十分にご注意なされよ!!」

「・・・・・・・・はぁ、」

真田の若虎、それ多分私。






シスターは戦国の世界にも生きていた?






また飛んだ。

何回目だ。

それでも今回は助かったと思う。

つい一瞬前までいたのは金髪の死神代行がいる世界だった。

そこでぬくぬくと高校生として生きていければ良かったのに何故か飛んだ場所は死神さんたちの世界のど真ん中。

あれよあれよと死神として生きるはめになったものの、

死神として私は欠陥品だったようで、

斬魄刀がないのだ。

元々剣も日本刀も得意じゃないのだが、そういう問題でなく斬魄刀が使えない死神だったのだ。

死神の術何かも一切使えない割には力は強く、おかしな術を使い、空を飛び、薬も作る。

死神界の鼻つまみ者だったわけだ。

ほっといてくれればいい。

悪いことなんてしないんだから。

頼まれたって関わらない、というのは私の意見であり、力が桁外れに強いというのが仇になった。

常に部屋には誰かが延々と監視し、戦闘の時に駆り出され、それが終わるとまた部屋に戻される。

ほぼ監禁である。

それが原作始まるまで何百年と続いてご覧なさいよ。

完全な人間不信になった。

私にほとんど死神の情報がないのも痛手だった。

何百年かして金髪の変わった死神が部屋ぶち壊しながら飛び込んできて初めて、あ、ここって死神なんだ、と気付いたぐらいである。

ちゃんと漫画読んどけば良かった。

そんな後悔滅多にしないだろうに。




「む!何故こんなところ小屋が、それに童!?」




そんなこんなで御歳何百年とかなっちゃった完全な人間不信は、またも幼児になって山に出現していた。

わざわざ人を頼るからいけないのだということで、さっさと山小屋を作り引きこもった。

村にも降りず、自給自足を心がけ早五年。

やっといろんな事が軌道に乗ってきたなと思った矢先に、これだ。




「まさか、妖怪に拐かされたのか!」

「・・・・ぃ、ぇ、」

「何と卑劣な!!必ず討ち取ってくれる!!御館様ぁぁぁああああ!!!!」

「・・・・ちょ、ぅ、っさ、」

「おおおおぉぉぉやぁかぁたぁさむぅわぁぁぁあああああああ!!!!!」




強制引きこもり歴数百年。

自主的引きこもり歴五年。

第一現地民との会話がこれだ。

無理。

あかん。

絶対無理。

何しに来やがったこの赤い煩いの。

妖怪ってなんだ。

というかここ戦国なんだ初めて知った。

何で甲冑前空いてるの?

守るべきとこその辺じゃないの?

そもそも今は秋だ。

寒くないのか。

いや、本当にそろそろ耳が限界だ。

頸動脈軽く押さえて落とすか。

死なないだろう。多分。




「ちょ、旦那!!何叫んでるの!この子びっくりし過ぎて死んだ魚の目みたいな目してるよ!!」




久しぶり過ぎるコミュニケーションに思わず物騒な事を考えているとオカン忍者登場。

流石オカン。

そして自己紹介後、冒頭に戻る、というやつだ。




「ちょっと待ってよ旦那。この子ここに住んでるの!?」




一人で!?とオーバーなリアクションの忍ばない忍の声を聞き流し、妖怪について思いを馳せる。

いつの間に妖怪になった。

いや、確かに私が狐なら間違いなく九股だ。

ラーメンの具の彼のとこの居候だ。

妖怪って。

確かに箒にも乗るし、片手で木どころか山だって国だってなぎ倒すけれど、




「こんな小さな子がここに一人暮らしって怪しすぎるでしょうが!!」

殿にはいろいろご事情があるのだ!!それはもう、何と御痛わしい!!」

「待って旦那。それ旦那の思い込みだから!何にも聞いてないんでしょ!!」




目玉を集めるって動物の死骸から内臓くり抜いたりはしたが、もちろん目玉も貰ったが、一応薬作りの一環なのに。

まあ、誰かにあげる訳じゃないから不審は不審だ。




「では佐助はこのまま 殿を一人きりでここに捨て置けというのか!!親に死なれ頼る者もなく、村を追われ一人ここに流れ着き、ひっそりと死を待つように生きる 殿を!!」

「待って待って旦那!!勝手に話作っちゃってるから!!!妄言もいいところだから!!!」




それでも人は食べない。

何でそんな噂が流れてるんだ。

しかし、どうでもいいが甲斐の若虎。

すごいな、大体当たっている。




「よし!では行こうぞ 殿!!!」

「ちょ!旦那〜!!」

「共に甲斐に!決して不自由な思いさせぬ! 殿も甲斐の民なのだから」




そうか、ここ、甲斐か。

そこに落ちたが運の尽き。

私はゆっくりと息を吸い、この世界で初めて言葉を発した。




「ぜったい、いや」







その後全力で逃げた。

それでも懲りずにやってくる赤いのと緑に限界を感じて夜逃げ。

小屋も畑もその辺一帯小さくさせて場所まで変えて逃げているのに、追ってくる武将が増えるという恐怖。

とうとうぶちギレ、武将全員叩きのめし、

そんなこんなで日の国統一した幼女の話。










いや、すみません。大好きですよ!何を思ったか書いてたらこんなんになっちゃってごめんなさい!!
死神を知らないのは夢主でなく、わたしという罠。
このシリーズは突然キャラが不憫な扱いをガンガン受けます!
ただ単に夢主を愛でたい人々にしか需要がありません。あるのか、需要(汗)
マジでだめな人はプラウザバック、プリーズ!文句、苦言、受付ません!! ここ重要!!

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