人生っていろいろある。

びっくりしちゃうぐらい、いろいろある。

これは、その中の最たるもので。

だから私は決めたの。





絶対幸せになってやる。



be Happy!










朝、目が覚めたら知らない部屋でした。





「・・・・どこ・・・・ここ」





これが私がこの世界に来た時の初見初一言。





「おお、目が覚めたかい?」





そして第一異世界人はこの団子屋の店主。

もちろん、異世界だなんて知ったのはこの後だ。





「えっ・・・・と」

「あんた、うちの店の前で倒れてたんだよ。覚えはあるかい?」

「いえ、全く」





一瞬、身の危険を感じるも結構なご高齢の店主にそれはない、と早々にその可能性を打ち消す。





「あの、ここ何処ですか?」

「江戸、かぶき町のしがない団子屋さぁ、今、ばぁさんを」

「えどぉっ!?」




時かけっ!?私ったら時をかける少女、は言い過ぎだから女?あら、語呂が悪い。





「あらあら目が覚めたのね?天人から逃げてきたのかと思っ」

「あまんとぉっ!!?」





時じゃない!時じゃないもん駈けて来ちゃったよ私!世界をかける女!って世界を股にかけたら海賊王ね。





「大丈夫かしら」

「大丈夫かのう」





そんな気のいい老夫婦と共に異世界ライフが始まったのだ。









 

 











普通、異世界トリップなんてものは、





ちゃ〜ん!みたらし三本!」





否、定義がある訳ではないだろう。





「こっちも追加お願ぁい!」





それでも、普通はメインキャラクターに近いところにいたりするんじゃないだろうか?





、これ持ってっとくれ」





万事屋に拾われるとか。

真選組に拾われるとか。

攘夷に拾われるとか。





ちゃ〜ん!」





めっちゃ普通に働いてますけど?





「はい、今行きます」





何処にいようと働かざる者を食うべからず。





さんのお陰ですっかり繁盛したわねぇ」





ちゃっかり看板娘。やっぱり娘は言い過ぎかしら?




「ご恩返しにはまだまだですよ」





この団子屋も物語に登場した濃いキャラの団子屋ではない。

パジャマ一枚で落っこちてきたこの世界。

せっせと働いて気付けば一ヶ月。

何の問題もなく過ぎようとしていた。





「問題、ねぇ」





ないわけではない。

むしろいっぱいある。

今後の事、世界の事、家の事、実家の事。

挙げればキリがないが一番大きいのが戸籍の事。

これがなければ他の仕事も家も結婚すらもままならない。





ちゃ〜ん!」

「はい」





考えてみた。

突然の出来事、

突然の事故、

突然の不幸、

人生いろいろありすぎて、





、休憩入るか」

さん、お昼何が食べたいかしら?」





ここで暮らすのもいいなあと思った。

ならば、そう。




帰る家が、必要だ。




大事な人。

優しい人。

心休まる人。






私の家に、なってくれる人。





「ちょ!銀さんどこ行くんですか!」

「糖補給に決まってんだろが」

「ホント死にますよアンタ!」

「ダメネ新八。所詮こいつはマダオネ!まるでダメダメなおっさんアル!」

「おいダメ一個増えてんぞぉ!」





賑やかな声が暖簾を叩く。





「いぃんだよ!ここ新しい看板娘が来てから団子が美味くなったって」





視線が交わる。

銀髪のふわふわした頭。

赤い瞳は少し眉から離れ、まさに死んだ魚のよう。





「っ!」

「・・・・ぁ、」





出会いは一瞬。

バチッとした音と共に、





「ないわね」

「って何がぁぁぁぁあああ!初対面で突然何から除外されたのオレェェェエエ!!!!」

「いらっしゃいませ。カウンターでよろしいですか?」

「無視っ!?何なんにもなかったふりして接客してんのこの人ォォォオ!」





初めての遭遇は、こんな感じで始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q:本当に局長夢なんですか?
A:ええ、一応。
次です!次には出てくるはずなんですっ!
ああ、万事屋メンバー楽しいっす。
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