「結婚して下さい」

「はい、よろこんで」




そんな理想のハッピーエンド。

チェックメイトをかけるまで、
 



後少し。

 



be happy!
 


 




 



天気は快晴。

風は良好。

ここに居着いて半年弱。

私は小さく伸びをする。





「う〜ん、決行日和!」





それはまさしくいつも通りの始まりで、いつも通りの終わりでもある。





「ねーほんっとーに!いいの?銀さん知らないよ?ほんっとーっに、いいのね?ほんっとに知らないよ?ねっねっちょっとちゃん聞いてるっ?」





その後ろで天然パーマの銀髪侍が酷く煩い。





「煩いですよ、万事屋さん」

ちゃんヒドイ!」





酷くありません、と切り返すも彼と会話を楽しむ気はない。

視線は外に向いたまま外れない。





「まぁったく、アレのどこがいいんだか・・・・」





最後には諦めたのか不貞腐れた様に店内にある椅子に腰かけ、共に外を眺める。

その目はもちろん死んだ魚のようだ。





「万事屋さん、もうちょっと喜んでもいいんじゃないですか?ほらっ礼金二重取りですよ?」

「銀さんはそんなガメツイ男じゃねーの!」





かぶき町はいつも通り喧しい。

団子の注文を受け店内を動いても意識は店の外にある。






出来ることは全部やった。

正直自分でもちょっと引くなーなんて思わないでもないが、まあ彼相手にはこれぐらいが丁度いいだろうと開き直る。





細工は流々。

後は仕上げを御覧じろ。





「なぁちゃん、今ならまだ間に合うって!あんなゴリラより銀さんにしときなって!」





目入るのは待ちに待った彼の姿。

厳つい顔を可哀想なほど、否、原型ないんじゃない?な感じで腫らし、さめざめと泣く、いや豪華に泣きわめく彼の姿。





「何故だ!何故ダメなんだっ!お妙さぁぁぁぁああああん!!」





かぁわいっ。

これを恋と言わず何と呼ぶ。




「なあちゃんってば!銀さんにしときなって!」




先程からチラチラと目につく天パーは無視して自前の小花模様の手拭いを手に取り店外へ向かう。





「言ったでしょ!私、」





私は初めてしっかり万事屋さんを振り返った。





「私、ゴリラがタイプなの」





その後はもう振り返る事なく彼の元へと進む。










細工は流々。

後は仕上げをご覧じろ。

後に続くは決して外さぬハッピーエンド。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなヒロインですが、いかがですか?
お!初めてヒロインって言葉がしっくり来るぞ!(そうか?)
腹黒かといえばそうでもないんですけど、どちらかといえば狡猾。
自分以外結構どうでもいいし、目的の為なら手段を選ばぬ狡猾さ。ここで本当の伴侶を得られるでしょうか?(笑)
ってゆーかハッピーエンドから始まってますので、次からここに来た経緯を。
妄想した限りでは初めての夜まで妄想に至りましたが・・・・読みたい、ですか?(笑)
局長夢なんて銘打ちつつ出てくるのはその周りの人たちばっかりです。
主に天パー。愛故に扱いが酷いです。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」で突き進みます。
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