泣き疲れて、
寝て、
起きたら、
全部終わってるってどんだけ寝てた私っ!?
25歳、全てを話して。
「ドミ?」
「ひょっ!?」
寝て起きたら目の前が王妃だった為に新しい悲鳴が出たお姉ちゃんですこんにちは。
いやいやいや!
天使も金色狼も男子はある程度耐性がついたんだけど、未だ美女となると大変心臓が活発になります。
いやだって!
絶世の美女なんだよ二人共!
「良かったよ、ドミが目が覚めて」
女神的に笑う完璧彼女な王妃は明日男に戻るんだとか。
後で王さまに説明に行くんだとか。
いやいやいや!
「今のうちに、話しとく。天使と銀色さん呼んでくれる?」
と言ったら王さまも着いてきた。
「俺は駄目か?」
親戚の権利で義姉上!と言ってきたデカブツが無性に可愛かったので、
部屋にいるのは、
王妃、王さま、天使、銀色さん、
私の五人。
「さて、」
「やっと話せるよ、リィ」
そう笑った日本人の私が、どうか無様に見えませんように、
そればかりを祈った。
「つまり、ドミューシアは、おれたちの世界においても異世界人だと」
結果から言えば私はからなり無様だった。
「つまり、ドミは全部知ってたってこと?」
全て暴かれる真実。
「それをぼくらに黙ってた」
鋭い視線。
「そう言いたいんだよね?」
心臓が嫌な音を立てる。
「はい、」
それでも彼らに誠実でありたい。
胸を押さえて瞳をあげて、エメラルドを見た。
「今まで黙っていてごめんなさい」
深く頭を下げる。
そして頭を上げて顎を引いて前を見る。
「この姿だった私の名前は、。二十五歳、独身、会社員。車に轢かれて死にました」
厳しい顔の四人。
でも聞いてほしい。
「新しく産まれて、ここが昔読んだ本に酷似した世界だと知ってから、全力で身を守ることを考えました」
そんな事をあり得ない。
そう否定してもいいはずなのに、四人は真剣に話を途切れさす事なく聞いてくれる。
これ以上の幸せはない。
「私は弱い。だから待った。太陽、月、闇、黒い太陽、新月。これらが揃えばガイアは簡単に手出し出来ない」
「それが、今だってこと?」
ガイアという言葉にぴくりと耳を動かした天使が口を開く。
「そう、天使でさえ見つけられなかったこの世界なら、多分、帰って話すより安全だと思った」
「それが、君が、世界を恐れた理由?」
「そう」
非凡であることの恐ろしさ。
科学が進んでいるが故の探究心。
それはきっと、金色狼も天使も身を持って分かっている。
「でもね、正直もうほとんど覚えてないの。役立たずでごめんなさい」
笑顔に見えてればいいんだけど、内心笑いながら髪をすく。
短くてちょっとびっくりした。
「だからこの告白は、リィと約束したから、かな」
グリンディエタ・ラーデン、と小さく呟けば王妃は目を丸くした。
「あんな昔の約束を!?」
「私にはまだ精々四、五年前よ」
「それでも大分前だよ!」
「それでも、」
「君に嘘をつきたくなかったのよ」
誰も知らないあたしを知って欲しい。
ただそれだけの、
自己満足なのよ、