遊園地って何だっけ?
八歳、遊ぶ。
「人間は土を離れては生きていけない。だからラピュタは滅んだんだわ!」
「ドミ?どうした?」
「大丈夫、ちょっと地面を見失っただけ」
無重力、結構、くる。
数ヶ月後、アーサーの休みをゲットして家族そろって遊園地にやってきた。
アーサーのジェット機は物凄い轟音だった事をここに記しておく。
「親方ー空から女の子がー」
「ドミ?本当に大丈夫か?」
「・・・・うん、ちょっと剥がれかけてるよ」
おっきな猫の皮がね。
予想以上に遊園地は大きかった。
脇目も振らず無重力に突進したのはいいものの、予想以上にパニックだ。
「はーはっはー人がゴミのよーだー」
「ドミ〜?コースはこっちだぞ?」
「えぇ、存じておりますが何か?」
無論、音量は絞ってあります。
全く思った方には向かえません。
銀色さんのパニックが伺い知れます。
アーサーは慣れているらしく、一人スイスイと先に言ってしまうのがまた憎らしい。
「目がー目がーと叫ぶべき?」
結局、通算五回目の挑戦も空しい結果に終わった。
否、最初は途中で係員に救助してもらった事を考えれば上手くはなっていると思うべきだろう。
肉体も若くなり、運動神経も人並みにあるはずなのに、どうやら脳が拒否するらしい。
常識に囚われすぎている、という事か。
うむ。
あの金色狼の血の繋がった姉の癖に情けない!
「よし!」
普段子どもらしく外を駆け回るということは皆無だが、少しぐらいいいところを見せなければ姉の名が廃る!
廃らないけど。
あたしは気合を入れて入り口を見据えた。
「もう一回!」
「ドミまた行くのか!?」
「ドミのお気に入りねぇ」
「何か、鬼気迫る勢いだなあ」
コツさえ掴めば!と何度も挑戦している姿をまたも微笑ましく見られているのは見なかった事にした。
(じっちゃんの名に、じゃねぇや、姉の威信にかけて!)
(ちょっと自信なくなってきた・・・・)