不注意はいけないと思う。
(跳ぶ視界)
居眠り運転は自転車もいけない。
(遠い空、近い地面)
自転車だって軽車両。
(霞む意識)
車の仲間です。
(打ち付けられた身体、鈍い音)
仲間なだけで太刀打ち出来るわけでは決してない。
(流れる血)
その証拠に見るも無惨な愛自転車が目に映る。
(霞む)
百パーセント自損なので誰にも文句が言えない。
(かすむ)
言えるのは精々突っ込んでしまった運転手への謝罪だ。
(かすんでいく)
先立つ不孝を許して欲しい。
(あぁ、やっちゃったなあ)
もう考えられる事は何もなく。
たった四半世紀であたしはこの世を去った。
(私にせめての餞を)