次の日の朝、食堂にて。





「ねぇリナちゃん。もうちょっと一緒に旅をしたいんだけど、いい?」

「そりゃ別にいいけど・・・・突然どうしたの? ねーちゃん?」





指をちらつかせて黒いのを見る。





「うん、趣味と実益と軽い嫌がらせで」





オカッパ魔族が肩をびくつかせて額を押さえていた。

千年以上生きてるんだ、人生のスパイスとしてたまにはトラウマも必要だと思う。





7





そんな訳でゼフィーリアに帰るのを延期させてリナちゃんに着いていく事に決めた。

別に私がいなくてもリナちゃんはしっかりやっていくと知っているし信頼もしている。

じゃあ何故かと問われれば正直只のファン根性だし、久しぶりに会ったリナちゃんがちょープリティだった事と、自分の力量省みず喧嘩売ってきた魔族君に対しての文字通り嫌がらせに他ならない。

ぷるぷるしているゼロスが視界の端に入って大変満足である。

おとーちゃんは泣かせておく事にする。






「嫌がらせって・・・・」

「ダメ?」





定番になりつつあり小首を傾げるポーズを取ると口ごもるリナちゃん。

甘えられるの弱いってちゃんと知ってます。





「あ、あたしはいーけど!みんなは!?」





ちょっと照れてるリナちゃんが大変可愛らしいのでおねーちゃんはとても嬉しいです。

朝ご飯をがっついている仲良し四人組の皆さん反応を待つ。





「構いません!仲良き事は美しきかな、です!麗しき姉妹愛!即ち正義!」





米粒を口の端に付けて正義の炎を燃やすアメリアちゃんも大変可愛いです。

そのテンションにはついていけないのでスルーだけど。





「誰の嫌がらせかは気になるところだが戦えるのか、お前の姉さんは」





一人大人しく珈琲を飲むゼルガディス君に問われリナちゃんと二人で顔を見合わせた。





「そーいえば、 ねーちゃんって戦えるっけ?」

「私、リナちゃんの前で戦った事あったっけ?」





リナちゃんのストッパーは私だがお仕置き係はルナさんだ。

幼少期に少しだけ戦い方(卑劣系)を指導はしたが実際に戦った事はない。

そもそも家を出た時まだリナちゃんは小さかったしルナさんいたし。





「 あれ?そもそも ねーちゃんって魔道士?」

「知らないのか?姉妹なんだろう?」

「うっさいわね!ちっさい頃の刷り込みで強い、怖い、変なのは知ってるけど戦ってるとこなんて見たことないもの。うちではずっと座ってるか本読んでたし」





ゼルガディス君に噛みつくリナちゃんの言葉が若干胸に突き刺さる。

うん、私の鍛錬地味だし。

ただ座ってる訳じゃないんだよ、オーラとチャクラ練ってるし、夜には森入って忍の鍛錬は一通りして体は鈍らないようにしてるんだよ。

怖くないよ、変でもないと思うけどあんまり自信がないよ。





「本人がいるんだし、聞いてみればいいじゃないか、なあ?」





朗らかにガウリイ君が笑う。

話聞いてたんだ。

ずっと食べ続けてるからてっきり聞いてないと思ってたよ。

皆の視線が私に集まる。





「戦えるよ、魔道士じゃないけど。何なら模擬戦する?」





かたん、と席を立ち、小首を傾げて問いかける。





「ねえ、ゼロス?」

「ななななななんで、僕なんですかっっっ!!!?」

「趣味と実益と軽い嫌がらせで」

「嫌です!絶っっっ対、嫌です!!」





その後、あのゼロスがそこまで嫌がるなら相当戦えるのだろうって事でめでたく旅の了承を得た。





「何したの、 ねーちゃん・・・・」

「んー?お仕置き?」





ちょっとした冗談なのにリナちゃんまで顔を青くするところが少し解せないが、まあいいとする。









調子に乗ってもいいとお達しや、コメントをいただいたのでもう一度調子に乗ります。
全世界の一万人のゼロスファンに怒られる。
えーっと、このシリーズ続く限りゼロスの扱いは常にこれです。
今のままのネタの神様だと常にオチ扱いです。
ごめんなさい。反省はしています。
そして続きます。

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