「ちょっと行ってきます」
と言って気付いたら数年たっていた。
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「あ、」
「あー!」
ルナさんが赤の竜神の騎士とやらになって、リナちゃんが一生懸命魔術の勉強をしていて、鍛錬と本を読むことにも飽きてきてどうせなんでいろいろ見て回ろうと思い付いた十三の春。
各地の美味しい物を食べてみたり、消滅前に見たいなサイラーグ、あ、セイルーン、キナ臭くなる前に行っとこう、あ、ドラゴン峰行きたいなーあー地図の向こう側行けるんだよね確か。
とかぐるぐるといわゆる聖地巡礼をしていたらこんなことに。
流石に一度ぐらい顔出しとかないとおとーちゃんが泣くなと思いゼフィーリアを目指している最中にリナちゃんとばったり会った。
「リナちゃん、久しぶり」
「久しぶり〜っぢゃないわよ!
ねーちゃん!!今までどこ行ってたのよ!!」
「・・・・いろいろ?」
「小首を傾げるなー!!それですまそうなんて言語道断なんだかんね!」
「話すと長くなるもの」
「それでも!」
「あ、あのー」
麗しい義姉妹の交流に水を指したの男の声。
何となく目には入っていたけどあえて無視したおかっぱ細目の似非神官が頬をポリポリしつつ立っていた。
「それで、これ、買うんですか?本当に」
「もちろん買うわ!五百五十万、でしょ?」
たったかたったか交渉が進み、見事魔力増幅装置は我が義妹の物に。
「んっふっふっ!さあ、話してもらうわよ
ねーちゃん!」
「リナちゃん、ダメじゃない」
「・・・・へ?」
眉を潜めながらリナちゃんをじっと見つめた。
勢いを削がれたリナちゃんはきょとん、とこちらを見ている。
こういうところは小さい頃と変わっていない。
「あれほど、ですます口調で自分の事を謎の神官ですとかのたまう人には近付いちゃダメって言ったでしょ?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
しばらくの沈黙の後、何故か力尽きたようにリナちゃんが項垂れた。
「・・・・・・・・
ねーちゃん、変わんないわね・・・・」
「リナさんのお姉さんって、変わってますね・・・・」
「ほっといてお願いプリーズ」
失礼な人たちだと思う。
自由人です。夢主。
あのリナさんを手玉に取ります。
ルナさんとの絡みも書きたかったけど何か止まらなくなるので断念。
仲良し家族です。