「こんなところでどうした?お嬢ちゃん、迷子か?」
黒髪ロン毛の釣竿持ったおっさんに声をかけられました。
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「親はいないのか?」
訂正、おっさんは失礼だ。
おそらく二十代半ばから後半の青年が加え煙草で森の中で釣竿担いで話しかけた来た。
あまりの胡散臭さに思わずおっさん呼びしてしまったことをここにお詫びしたい。
「話せるか?年は?」
おっさん改めおにーさんは親身になって私の前に体を屈めて目を合わせる。
何か威圧感あるから止めて欲しい。
少し仰け反るように後退り無言で指を三本たてて見せた。
「三つ、うちのチビたちの間か・・・・」
服装からして旅人、というより近所の住民だろう。
森の中で釣竿を持っているのが若干気にかかるが漁師という訳ではないだろう。
色も白いし。
でも何故か堅気の臭いがしない。
幼児化の常套手段は拾ってもらうことだが、果たしてこの青年に着いていっていいものか。
別に大人に変化して生活しても良いわけだし、面倒だけど。
「家、分かるか?」
「・・・・」
「おとーちゃんやおかーちゃんは?」
「・・・・」
「誰か一緒に来た人は?」
「・・・・」
根気いいなこの人。
質問には全部首横に振るというほぼコミュニケーションがデスってる状態で諦めず困らず話しかけてくる。
いい人なんだろうなあ。
あ、何か今までに会った第一村人ならぬ第一異世界人たちの非常識さを思い出して涙が出そうだ。
「おとーちゃんとおかーちゃんが見つかるまで、俺のうちに来るか?」
今まさに迷っている案件に対してどっちにも首が振れずじっと青年を観察した。
「うちには飯の美味いかーちゃんがいるし、子どもも二人いるから安心していい。店やってるから旅人が来てお前のおとーちゃんやおかーちゃんもきっと見つかる」
普通の三才児はこんなこと言われても分かんないよにーちゃん、と思わず突っ込みたい。
まあ、それだけ真摯にあろうとしてくれているのは分かった。
「どうだ?」
こんな幼児、問答無用で抱っこして連れていけばいいのに、それをしない。
一人の人間として関わろうとするその姿勢、気に入った。
「・・・・いく」
「っ!そうか!」
ぱっと明るくなった顔に美形は得するな、と幼児らしからぬ事を思った私を許して欲しい。
「名前は?」
「・・・・
」
美形のにーちゃんは軽々私を抱き上げて笑顔でこう言った。
「
、インバース家にようこそ!」
「・・・・・・・・・・え゛?」
リナパパに拾われました。
捏造もいいとこです(笑)
大変年上な夢主なのであんまり表情筋が動きません。
無表情幼児です。
何か萌えます。←